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舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)

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Allergen immunotherapy

舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)

 

舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)とは

アレルギー性鼻炎は、アレルゲン(または抗原)と呼ばれる原因物質(ダニ、スギ花粉など)によって引き起こされます。アレルゲン免疫療法とは、その患者さんのアレルギーの原因となっているアレルゲンを、少量から徐々に量を増やし繰り返し投与することにより、身体をアレルゲンに慣らし、症状を和らげる治療法です。根本的な体質改善(長期寛解・治癒)も期待されます。

従来はアレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていましたが、近年では「舌下免疫療法」が登場し、舌下にアレルゲンを投与するため痛みがなく、初回投与以降は自宅で行えるようになりました。

有効性について

一般的に舌下免疫療法を含むアレルゲン免疫療法では、8割前後の患者さんで有効性が認められています。スギ花粉およびダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法においても、種々の報告からその有効性・安全性が確認されています。

また、飲み薬や点眼薬、点鼻薬はあくまで一時的に症状を抑えるだけで根本的な治療ではありません。根本的な体質改善(長期寛解・治癒)を希望される方にはおすすめです。
正しく治療が行われると、早ければ初めてのスギ花粉飛散シーズンから治療効果が期待されます。年単位で継続することで症状が完全におさえられない場合でも症状を和らげたり、アレルギー治療薬の使用量を減らすことが期待できます。

副作用について

副作用としては投与部位である口腔内の腫れ、かゆみなどが最も多くみられます。特に、投与後少なくとも30分間、投与開始初期のおよそ1か月は注意が必要です。これらの副作用は投与後数時間で自然に回復することが多いですが、症状が持続するときはご相談ください。
また、極めてまれですが全身性の強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こる可能性があります。万が一アナフィラキシーと考えられる症状が出現した際は、直ちに医療機関を受診するなど迅速な対応が必要です。

治療の対象とならない方

・重度の気管支喘息
・口腔内に傷や炎症のある方
・12歳未満の小児(当院では12歳以上とさせていただいております)
・妊婦・授乳婦の方
・ステロイドや抗がん剤、高血圧治療でβ遮断薬など特定の薬を使用されている方。

実際の治療の流れ

診断

まず、問診と血液検査でアレルギーの原因(アレルゲン)を確めます。1週間ほどで結果が出ます。アレルゲンはスギとダニですので、このいずれか、もしくは両方が上昇している方が対象となり、数値が陰性の方は適応外となります。


※スギ花粉アレルギー(花粉症)の方は、スギ花粉が飛散している時期には治療を開始できません。この時期はスギ花粉に対する過敏性が高く、副反応が起こりやすくなりますので、スギ花粉非飛散期(6月から11月頃)に治療を開始します。

初回投与

1日1回舌下に薬剤を投与します。投与後は1分間または2分間、あるいは完全に溶解するまで舌下に保持し、その後飲み込みます。投与後5分間はうがいや飲食を控えます。また、投与前および投与後2時間は入浴や飲酒、激しい運動を避けて下さい。
初回投与は医療機関内で行い、その後約30分間は院内で待機していただきます。
最初の1週間は初期量を、2週目から維持量とし、継続します。

通院治療

翌日(2日目)からは自宅で患者さん自身が投与しますが、日中や家族がいる場所での投与が推奨されます。
以降は毎日の服用と定期的な受診(1か月に1回)が必要です。
治療期間は3-5年が推奨されます。
また、投与を長期中断した後、再開する場合は、医師に相談する必要があります。

なお、当院への通院が難しい場合や治療途中での転居の必要性が生じた場合は、近くのアレルギー専門医療機関を紹介の上、治療を続けることもできます。