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胃内視鏡検査

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Gastoroscopy

胃内視鏡検査(胃カメラ検査)

 

胃や腸の内壁を検査する方法として「内視鏡検査」がありますが、どのような検査かよくわからないという方もいらっしゃるでしょう。
また、体の内部に内視鏡を入れることから「なんだか怖そう・・」というイメージを持つ方も多いです。

自覚症状のない胃がん

胃がんは自覚症状が少なく、かなり進行しても無症状の場合もあります。
そのため、検査で早期発見をすることが重要です。
胃がんは早期発見すればほぼ治ります。
胃がんを早期発見する方法は胃内視鏡検査を受けることしかありません。
早期胃がんは無症状です。症状が出てしまってからでは遅いのです。
定期的な胃内視鏡検査をお勧めします。

胃がんは胃内視鏡検査でほぼ防ぐことが可能です

胃がんを引き起こす原因の90%はピロリ菌です。
ピロリ菌に感染すると胃粘膜が炎症を起こし、胃の痛みや不快感、嘔気を伴う慢性胃炎や萎縮性胃炎と呼ばれる状態へ進んでいきます。
この萎縮性胃炎は「前がん状態」と言われ、胃がんの発症リスクが非常に高い状態です。
そして日本人の胃がんの99%にピロリ菌が関与していることがわかってきました。
胃がんの発症を防ぐ意味でも、ピロリ菌の除菌が推奨されるのです。
 

日本の胃がん罹患率(新たに診断されること)

胃がんは世界の中でも日本で多く見られるがんの一つです。
胃がんはかつて日本人のがん死亡率の第1位でしたが近年減少にあり、2021年厚生労働省の部位別がん死亡率では男性では肺がん、大腸がんを下回り第3位、女性で第5位でした。
しかし、胃がんの罹患数に関しては、人口高齢化の影響で非常に増えており、2019年に診断された人は男性で約9万人、女性で約4万人となっています。
つまり胃がんになる患者さんは増加していますが、完治される人が多いため死亡数はあまり変わっていないのが現状です。この変化は胃がんの早期発見・早期治療の進歩が著しいためと考えられます。

胃がんは増えている?減っている?

1年間に胃がんになった人(罹患数)は、1975年には約7万5千人でしたが、2010年には約13万人となり、約1.7倍となっています。その数は2010年以降頭打ちとなっています。
胃がんで死亡する人(死亡数)は減少傾向です。
胃がんの罹患数だけみると「胃がんは増えている!」といえます。

なぜ胃がんが増えているのか?

それでは、なぜ胃がんの罹患数が増えているのでしょうか。胃がんになるリスクが増えているのでしょうか。
まず、一番の大きな理由は高齢化の影響であると考えられています。グラフに示した年齢階級別罹患率をみると、高齢になるほど、特に60歳以降は急激に胃がんになる率が高くなっています。(一生のうちに胃がんにかかる割合は、男性では10人に1人、女性では21人に1人と推定されています。)
「高齢」は胃がんの危険因子の一つですが、私たちにはどうすることもできません。
高齢になればなるほど、がんになりやすくなりますが、年をとることはがんの予防の取り組みでは除去できることではありません。
一方、ピロリ菌などの胃がんのリスク要因については、がんの予防の取り組みにより減少させることができます。このようながんに対する取り組み(がん対策)がうまくいっているのかどうか、を評価するためには「高齢化の影響」を除去したうえで評価する必要があります。

そこで、「高齢化の影響」を除去するために「年齢調整」という細工が必要になるわけです。

国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計」

胃がんの罹患率・死亡率は高齢化の影響を除くと減っている

下のグラフは年齢調整をした罹患率・死亡率の年次推移を示したグラフです。
こうして年齢調整をして、高齢化の影響を除去した上で見てみると、胃がんの罹患率、死亡率ともに近年減少傾向にあることがわかります。

胃がんの統計情報のまとめ

診断される数(2019年):
124,319例(男性85,325例、女性38,944例)
死亡数(2020年):
42,319例(男性27,771例、女性14,548例)

元データ:全国がん登録罹患データ(罹患)、人口動態統計死亡データ(死亡)、地域がん登録生存率データ(生存率)

どんな時に胃内視鏡検査を受けたらいいの?

✔ みぞおちが痛い、張る、ムカムカする、重い
✔ 吐き気や嘔吐が続く
✔ 酸っぱい水が上がってくる、胸やけがする、喉の違和感、胸のつかえ感がある
✔ 食欲がない、体重が減った
✔ 便が黒っぽい、貧血症状がある
✔ 健診の胃バリウム検査で精密検査が必要といわれた
✔ 胃の中にピロリ菌がいるといわれた
✔ 40歳以上で一度も胃カメラ検査をしたことがない方
 
上記の症状でお悩みの方は胃内視鏡検査をお勧めします。

胃内視鏡検査の流れ

まず、胃カメラ検査を受ける日時を決定(予約)します。

診察後の予約となります。

検査までの準備と注意事項

前日は午後9時までにいつもより少し軽めの食事をとってください。
当日は検査の2時間前までは、お茶、お水、スポーツドリンクなどの少量の飲水は構いません。(固形物の摂取は控えてください。)
朝絶食で来られる方も、心臓や血圧の薬は通常通り服用してきてください。
胃に空気を入れて観察しますのでお腹が張ります。当日は体を締め付けない楽な服装でお越しください。

検査前

入れ歯や取り外せる差し歯のある方は外していただきます。
鼻腔、喉の麻酔をします。麻酔薬を注入しますので10秒間ほど喉の奥に溜めてから飲み込んでください。麻酔が効くまで10分間程度待ってから検査を開始します。

検査中

左横向きになり、両膝を曲げた姿勢で行います。
お腹が膨らみますので、締め付けている着衣(ベルト・ボタンなど)は緩めてください。
検査中は体の力はできるだけ抜くようにしてください。深いため息をつくと自然と力が抜けます。
げっぷをすると胃の中の空気が抜けて観察が難しくなります。できるだけげっぷをしないようにこらえてください。
所要時間は5~6分程度ですが、病理組織検査(生検)により少し時間がかかることがあります。

検査後の注意事項

検査後約1時間(鼻腔、喉の麻酔が切れるまで)は絶食です。その後まず水分を摂取していただき、ムセがなければ食事をとっていただいて結構です。
検査の結果は終了直後に説明します。ただし、病理組織検査(生検)を行った場合、その結果は後日(2週間後以降)となります。
詳しく説明を聞きたい方は外来診察時にご説明します。
検査後、気分の悪い方、ふらつきのある方はベッドで休んでもらい、回復を確認後に帰宅していただきます。
検査の結果、ピロリ菌感染症が疑われる場合にはピロリ菌検査をお勧めする場合がございます。あらかじめ時間に余裕を持ってお越しください。

当院の胃内視鏡検査内訳
  2023 2022 2021 2020

胃内視鏡検査数

1336

1406 1469 1461

胃がん数

17

12 22 16

胃がん率(%)

1.27

0.85 1.50 1.09

内視鏡治療数

10

6 13 11

外科手術数

6

5 8 5

非手術数

1

1 1 0

胃内視鏡検査料金

  1割負担 3割負担 自費診療
検査(胃カメラ)のみ 約1,500円 約4,500円 約15,000円
検査+病理組織検査 約3,000円 約9,000円 約30,000円
検査+ピロリ菌検査(尿素呼気試験) 約3,500円 約10,500円 約35,000円
検査+病理組織検査+ピロリ菌検査(尿素呼気試験) 約6,000円 約18,000円 約60,000円